書讀む月日

言葉の数だけ世界は拡がる

#指揮してみたい作品10選

本日は2本立て。

30日チャレンジの9日目について記事を書いた後に思いつき、Twitterの相互フォロワーの方が作ったハッシュタグに便乗して記事を書くことにした。

 #指揮してみたい作品10選 はすぐに記事は書けるが、 #指揮してみたいプログラム10選となると一つ一つプログラムを組むのが楽しくはあるがけっこう大変な作業である。後者については今すぐというわけではなく、10回の演奏会に相当するプログラムを考え、数が揃ったら一つづつ記事を書こうと思う。

 指揮してみたい作品10選

これについて書くことに対して縛りを設けることにしよう。というのも、好きな作曲家の好きな作品を全て書こうとすればその作曲家だけで埋まってしまう。ブラームスシューマンラフマニノフで11作品、マーラーだけでも、大地の歌を含めると11作品に及んでしまう。この4人の作曲家による交響曲は除いて選ぼう。また、好きな作曲家はそれだけでも何曲も選んでしまい話が尽きなくなってしまうので、一人の作曲家につき1曲としたい。 

フランツ・ ヨーゼフ・ハイドン交響曲第90番 ハ長調 Hob.Ⅰ:90

ハイドンは何かしら楽曲に仕掛けを設けている。交響曲第90番では第4楽章にまるで終始音のような少終止を2回置いている。それは聴衆の拍手を誘うものの、まだ曲は続いて、初めて聞いた人を困惑させ、既に知っている人に対しては笑いを催させる。

ウォルフガング・アマデウスモーツァルト交響曲第41番 ハ長調 K.551 
Mozart: Symphonies Nos. 40 & 41

Mozart: Symphonies Nos. 40 & 41

 これも第4楽章に対しての興味である。複雑極まりないコーダをいかに綺麗に聞かせられるか、挑戦したい。

 このコーダについては、音楽ライター 小室敬幸氏による動画解説がわかりやすい。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー交響曲第6番 ロ短調 作品74 
Dorati Conducts Tchaikovsky

Dorati Conducts Tchaikovsky

まだ実演では3回しか聞いていないのだが、あまり満足していない。自分で振って、聴衆を満足させる演奏ができるかどうかはわからないが、様々な挑戦をすることだろう。

ヨハネス・ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25(アーノルド・シェーンベルクによる管弦楽編曲版) 
Beethoven (arr. Mahler): String Quartet No. 11 - Brahms (orch. Scoenberg): Piano Quartet No. 1

Beethoven (arr. Mahler): String Quartet No. 11 - Brahms (orch. Scoenberg): Piano Quartet No. 1

 交響曲は縛りにより挙げないことにしたが、好きな作曲家だし1曲は選びたい。それに、室内楽曲でも編曲版でも好きな曲である。振らずにはいられない。

リヒャルト・シュトラウスアルプス交響曲 作品64 TrV233

 大規模管弦楽に身を置くことを体験してみたい。うまくいかないと響きが混濁して大変なことになりそうだ。

モーリス・ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
Ravel: Concertos pour piano & Le tombeau de Couperin

Ravel: Concertos pour piano & Le tombeau de Couperin

 第2楽章、しばらくピアノ独奏があり、木管楽器が入る瞬間は得も言われぬものだ。

バルトーク・ベラ:バレエ音楽中国の不思議な役人

 鋭くおどろおどろしい響きを自らの手で実現させたい。

オリヴィエ・メシアン:歌劇「アッシジのフランチェスコ

 これもアルプス交響曲と同じ理由だが、こちらは2017年11月にびわ湖ホールでシルヴァン・カンブルラン/読売日本交響楽団らによる演奏を聞き、オンド・マルトノ独奏による「天使のヴィオール」の法悦が印象に残っている。

ピエール・ブーレーズ:…エクスプロザント・フィクス…

 高校1年生のとき、友人に「クラシック音楽のCDでいいのあったら貸してくれ」と頼み、出てきたものがこれだった。おかげでコンテンポラリー作品に対して抵抗がない。恩返しと言ってはおこがましいが、振ってみたい。

ジョン・アダムズ:ハルモニーレーレ

 エド・デ・ワールト/NHK交響楽団による演奏をクラシック音楽館で鑑賞して以来ハマっている。1曲くらいミニマル・ミュージックを振ってみたい。

ソナタといえば? #30DaySongChallengeクラシック版 9日目

なかなか暖かくならない4月であるが、仙台市青葉区の週間天気予報を見ると20℃を超える日も多くなる様だ。ただ、最低気温はまだ10℃以下の日々が続く。体を冷やさないように布団と毛布はまだ必要だ。

さて、今日のお題はソナタ。ヴァイオリンやピアノにとっては作品は豊富で、他の楽器にとっては貴重なレパートリーになる。

わたしが日常的に聞いたり、演奏したい曲を挙げていきたい。

 ソナタといえば?

ヴァイオリンを編成に入れているもの

趣味でヴァイオリンを弾くことはこのブログでもよく触れている。月に3度のレッスン受講の振り返り記事を書いたり、弾いた曲についても書いたりもした。弾きたい曲について書いてもいい。この機会に書いてみよう。

弾きたい曲

 ブラームスは10月に予定されている発表会が終わったら3曲のいずれかを選んで弾きたい。ベートーヴェンはそれ以外に時間をかけて弾いていきたい。この辺りは、クロイツェル・ソナタを除いて今の技巧上なんとか弾けそうな感じではある。

では、今の所技巧がおぼつかない曲を挙げよう。

バルトーク・ベラ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1・2番、無伴奏ソナタ 

Bartók: Violin Sonatas

Bartók: Violin Sonatas

 細かいパッセージは勿論、めくるめく重音や分散和音、複雑極まりないリズム…古典派の協奏曲を弾くよりも断然難しそうで、演奏のために身に付けなければならない技巧で身についていないものはまだまだ多いし、一生かけても身につかないかもしれない。弾けるようになったとしても、ピアノを弾ける人が見つかるかどうかわからない。

夢である。

よく聞いている曲

ブラームスフォーレ、フランクのソナタをよく聴いている。これについては下記の記事を再読されたい。

chumannian.hateblo.jp

schumannian.hateblo.jp

ピアノ・ソナタ

ピアノは弾けないので、演奏したい曲という項目はかけない。その代わり、今までコンサートで聞いた曲とこれからコンサートで聞きたい曲を挙げよう。

今までコンサートで聞いたピアノ・ソナタ

わたしの通う演奏会は管弦楽室内楽のものが殆どで、ピアノ・リサイタルには、好きなピアニストのものや室内楽演奏会で出演した方のものを聞きにいくので回数としては多くない。今までリサイタルに行って聞いたピアニストというと、クリスチャン・ツィメルマンヴァレリー・アファナシエフ、ピエール=ロラン・エマール、児玉桃、イーヴォ・ポゴレリチ、野平一郎と、思い出しても数は多くはない。

ただ、その一度一度はとても貴重な体験だった。ポゴレリチのリサイタルの会場を支配する雰囲気はまるで黒ミサのような異様で、そこで弾かれた楽曲はすべての曲が心の奥底にまで訴えかけるような迫力で弾かれていた。他の演奏家のリサイタルも忘れがたいものだ。その中でも野平一郎のモーツァルト:ピアノ・ソナタ全曲演奏会を挙げたい。

 

野平一郎モーツアルト ピアノソナタ全集1

野平一郎モーツアルト ピアノソナタ全集1

  • アーティスト:野平一郎
  • 発売日: 2009/01/25
  • メディア: CD
 

 

野平一郎水戸芸術館モーツァルト:ピアノソナタ全集2
 

  

野平一郎 モーツアルトピアノソナタ10-13水戸芸術館

野平一郎 モーツアルトピアノソナタ10-13水戸芸術館

  • アーティスト:野平一郎
  • 発売日: 2010/03/25
  • メディア: CD
 

 

野平一郎 モーツアルトピアノソナタ全集4

野平一郎 モーツアルトピアノソナタ全集4

  • アーティスト:野平一郎
  • 発売日: 2010/10/12
  • メディア: CD
 

 

野平一郎 水戸芸術館モーツアルトライヴシリーズ 5

野平一郎 水戸芸術館モーツアルトライヴシリーズ 5

 

  

 これから聞きたい曲

ロシアの作曲家が書いたピアノ・ソナタを聞きたいと思っている。

なかでも、ポゴレリチの最新CDに収録されているセルゲイ・ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36を演奏会で聞いてみたい。

2018年12月のリサイタルで演奏したフランツ・リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調のような、絶対的な時間や重力を超越した演奏になるのか、それとも別の方向性で聴衆を魅了するのか、興味は尽きない。 

 

 

誰かと一緒に弾きたい曲 #30DaySongChallengeクラシック版 8日目

春季休業が長引き、更にはオンライン授業で在宅時間が長くなることによりセイアK津が乱れている。なんとかして生活にアクセントを加えて、決まった時間に寝て起きる、これに近いことをしたいところである。

 誰かと一緒に弾きたい曲

Twitterには2つアカウントを設けている。そのどちらにも楽器経験者がいて、ピアノは勿論、艦これ用のアカウントにはヴァイオリンにヴィオラ、チェロを弾く人もいる。わたしを入れると弦楽四重奏ができるので、いつかはやってみたいものだ。

ピアノとの合奏

あまりピアノ・ヴァイオリンそれぞれが技巧・合奏ともに難しくないものを選びたい。

フランツ・シューベルト:ピアノの戸ヴァイオリンのためのソナチネ第1番 ニ長調 D384、第2番 イ短調 D385、第3番 ト短調 D408 

Schubert: Sonatinas

Schubert: Sonatinas

 一度第1番を初見で弾いたことがあり、1回で全曲通せた。結構平易に書かれた曲に違いない。手軽ながらも合奏の楽しさが感じられる曲だと思う。

弦楽四重奏

これもある程度初見が効きそうなものを選ぼう。

ウォルフガング・アマデウスモーツァルト:初期弦楽四重奏曲集 

 特に「ミラノ四重奏曲」と呼ばれる6曲、第2番から第7番がいい。

「春に聴きたい曲」

schumannian.hateblo.jp

では第6番を挙げたが、ミラノ四重奏曲は大学1〜2年のときによく合奏したものである。後年に書かれた四重奏曲とは異なりやはり平易に書かれており、すぐに合奏するというときにはいいものである。

自分のテーマソング #30DaySongChallengeクラシック版 7日目

このハッシュタグでブログを書き続けて7日目になる。そこそこ書く力は付き始めている実感がある。

お題の中には曲を思いつこうとひねり出しにくかったり、解そのものが限定されるお題があったりと難しいものが少々ある。

 まあ、娯楽なので気軽に書いていこう。

自分のテーマ曲

テーマ曲=主題歌…schumannianならこの曲というのは、当ブログの最初の記事

schumannian.hateblo.jp

で書いたようにロベルト・シューマン交響曲第2番 ハ長調 作品61 なのだが、もうすでに3日目の記事

schumannian.hateblo.jp

で取り上げてしまったので詳細は書かない。これについては上記の記事を読んでいただく他ない。

春に聴きたい曲 #30DaySongChallengeクラシック版 6日目

春に聴きたい曲、というお題である。

こんなときに聞きたい、というのはあまり考えたことないし、その時聞きたい曲を聞いているので改めてそういうふうに考えるのは苦手だ。

また、「春」という表題の付く曲を選ぶというのも安直であるし、それ以上に、表題で楽曲のイメージを縛るのは鑑賞の可能性を狭めるのでこれも避けたい。

伊福部昭が『音楽入門』

音楽入門 (角川ソフィア文庫)

音楽入門 (角川ソフィア文庫)

 

 の中でこう云っている。

 繰り返して申しますが、作品に付された題名は単に作家が、自己のイメージを働きやすくするために選んだ方便に過ぎないのです。 

 音楽の素材は他でもない音そのものだし、歌曲ならばそれにせいぜい歌詞が加わるだろう。言葉が与えられれば音楽のイメージを拡げる助けにはなるだろうが、音楽鑑賞の可能性を広げるならば、音楽はそれに付された言葉からは自由であるべきだ。例えそれが作曲家が自分の作品について語ったことであるとしても。

自分で音楽を語ることは難しいが、始めはあくまでも音楽だけだ。

音楽と言葉の問題についてはいずれ書くであろう。

脱線もここまでに、聞いて、季節としての春、春の付く言葉−例えば青春− を連想する曲を選ぼう。

 春に聴きたい、というより春を連想する曲

冬から春に季節が移るような、気分の晴れ晴れする曲

上記のように、いつどんなときにこんな曲を聞きたい、ということを考えるのが苦手なので題を変更することにした。

アントン・ブルックナー交響曲第5番 変ロ長調

Bruckner: Symphony No. 5

Bruckner: Symphony No. 5

 ブルックナー交響曲、その第4楽章には圧倒的な終曲があるし、クライマックスの築き方がずば抜けて優れている。特に第5番を聴き通すと本当に気分が晴れる。

春のような麗らかな曲

滝廉太郎:歌曲集『四季』第1曲『花』、その出だしは「春のうららの隅田川」。そういうくらい、春はものを日が柔らかくのどかに照らす。

ウォルフガング・アマデウスモーツァルト弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調 K.159 

モーツァルト弦楽四重奏曲長調のものはどれも春の陽気を伺わせるし、何より第14番には誰がつけたのだか「春」という名前がついている。ただ、麗らかというには華やか過ぎる印象がわたしにはある。ここは、Andanteで始まる第6番を挙げよう。

 青春を連想する曲

ロベルト・シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47 

シューマン:室内楽全集

シューマン:室内楽全集

 

 作曲年の2年前にロベルトはクララとの結婚を成就させて順風満帆かと思いきや、交響曲の評判はそれほど芳しく無かったが、「室内楽の年」と呼ばれる1842年はかねてからの室内楽へのチャレンジを結実させた期間だった。その成果が、以前の記事で挙げた弦楽四重奏曲第3番を含む3つの弦楽四重奏曲であったり、変ホ長調という同じ調性を持つピアノ四重奏曲やピアノ五重奏曲である。

ピアノ四重奏曲は交響曲第2番に通じる、全曲を通して出てくる主要動機の変形が巧みであり、歌心あふれる旋律に満ちている。明快さや伸びやかな旋律に青春を感じるのはわたしだけではあるまい。

dolceな曲 #30DaySongChallengeクラシック版 5日目

dolce…意味を確かめてみよう。

ja.glosbe.com

甘い、デザート、可愛い…音楽の表情記号での意味−甘美に−はこれに由来する。

今回はそれぞれの意味に沿った曲を紹介しよう。

dolceな曲たち

甘美な曲

 前回までで挙げたフランクのソナタシューマンの諸作は十分に甘美である。ただ、繰り返し書くのは文章を書く訓練としてはハードルが低すぎると思うし、同曲を取り上げても違うことが書ければそれでもいいのだがそれは厳しい。なので別の曲を取り上げよう。

ガブリエル・フォーレ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 イ長調 作品13

Fauré: Violin Sonata in E Minor & Franck: Violin Sonata in A

Fauré: Violin Sonata in E Minor & Franck: Violin Sonata in A

 

おそらくフォーレ室内楽作品では最も演奏される曲で録音も多い。

伸びやかな明るい旋律、快活さを持っている。かなり控えめに演奏しようとも甘美さを隠しきれない。逆に、どんな曲も甘ったるく演奏してしまう演奏家によるものは、砂糖の数百倍の甘みを持つといわれる人工甘味料のようにしつこい。

いつかは弾けるようになりたい曲でもある。

 デザート代わりの一曲

食後に出される果物や菓子…そんな一曲を選ぼう。ただ、このシリーズの最終項目は「アンコールの曲」ということなので、これとは被らないようにしたい。

どう選べばいいか。自分で演奏会をするときにアンコールで演奏したいようなものを選ぼう。

ガブリエル・フォーレ:子守唄 作品16

Fauré: 5

Fauré: 5

  • エリック・ル・サージュ & 樫本大進
  • クラシック
  • ¥1681

 1曲だけならこの曲だし、2曲弾くならこれは2曲目、「演奏会はこれでお開き、おやすみなさい」。

可愛い曲

フランツ・シューベルト交響曲第2番 変ロ長調 D.125 

 思いついたのはこの曲が最初である。2018年7月15・16日にサントリーホールで行われた、【アラン・ギルバート首席客演指揮者就任披露公演】都響スペシャルで演奏され、わたしは2日目に聞きに行った。

作曲の経緯や初演日、曲の概要はWikipediaの該当ページや名曲解説書が教えてくれるだろうしここでは省く。

今までシューベルト交響曲は、演奏したことがある第7・8番(古い数え方だと第8・9番)と、演奏機会の多いように思う第5番しか聞いたことがなく、こうして演奏会で取り上げられでもしなければ聞かなかっただろう。

全体的に軽やかで、特に第4楽章がすばしっこく可愛いと思った。短調で書かれた第3楽章が作品を軽やかですばしっこいだけの曲に終わらせないように適度に引き締める。

最初に聞いたときはそういう演奏で、他にジョナサン・ノット/バンベルク交響楽団などモダン楽器による演奏では同様の印象を抱いた。上記の時代楽器による演奏ではあまりそういう感じはしないものの、モダンとの違いが出て楽しめるのではないだろうか。

人生を変えた曲 #30DaySongChallengeクラシック版 4日目

#30DaysSongChallengeクラシック版 をお題にしてブログを書いているときもそうだけど、なにかテーマを設定してそれに合致するような曲やCDを考えるのは結構楽しい。つい数時間前にもTwitterクラシック音楽を通して知り合った方々と通話していたのだけれど、今日の話題は「推しのCD10選」だった。入手できるCDであることや、知名度の高い作曲家ではあるがあまり聞かれてはいない曲を収録したものであることなど、基準を自分で設定して選定するのが、音楽を自分の言葉で語る訓練にもなる。

この企画もそうした訓練の一つとして有効だ。

さて、本日4日目のお題は「人生を変えた曲」。これもクラシック音楽を聞き続けることにしたものや、ヴァイオリン演奏をし続けるきっかけとなったものなど様々なシーンに分けられる。

 人生を変えた曲

この曲でクラシック音楽を聞き続けることにした

 高校2年生のときだった。夏頃にグスタフ・マーラー交響曲第2番 ハ短調 のアントニ・ヴィト/ポーランド国立放送交響楽団による録音のCD 

マーラー:交響曲第2番「復活」(ヴィト)

マーラー:交響曲第2番「復活」(ヴィト)

  • アーティスト:ヴィト
  • 発売日: 1993/10/01
  • メディア: CD
 

 を聞かせてもらい、その作曲家を聞き始めた。高校生であるうちに第1〜6・8・大地の歌・10(第1楽章のみとクック版)を聞いた。

マーラーを聴き始めて数ヶ月経った高校2年生の秋は、幾つかある人生の不運な時期の一つで、詳しくは書かないけれども家庭の事情で大学進学への路が一時阻まれた。将来に対する希望を刈り取られてしまうという焦りに駆り立てられていて、その心理とマーラーの音楽が実にマッチした。

当時住んでいた家は小さく、マーラーをスピーカーで聞くとなるとカーステレオに頼らざるを得なく、多少音楽に理解のある母に頼んで学校と自宅との往復に音楽を自動車内で聞かせてもらっていた。

iTunesにはないが、ヴァーツラフ・ノイマン/チェコフィルハーモニー管弦楽団によるマーラー交響曲第1番 ニ長調と第10番 嬰ヘ長調 第1楽章という組み合わせで、第10番が先に収録されているディスクをかけた。

家でヘッドホンで聞いたのが 最初だったのか覚えてはいないが、大音量で聞いたのはカーオーディオでは初めてだった。

伴奏無しでヴィオラが15小節弾く、憂い深いAndanteから途切れずに弦五部とトロンボーンが加わるAdagio、その第1音が心に響いた。そのとき初めて音楽を聞いて涙を流した。そんな共鳴を崩してしまうカタストロフ、それでも穏やかな美しさを終止音まで引き伸ばす音楽はそのままマーラーを、そしてクラシック音楽を聞いていくのに十分なきっかけだった。

マチュアながらも演奏家としての自信を築いた一曲

大学3年の冬、所属していた大学オーケストラのアンサンブル大会でわたしは仲のいい部員と弦楽四重奏をやろうと仲間を誘い、自分の選んだ曲を提案した。

ロベルト・シューマン弦楽四重奏曲第3番 イ長調 作品41の3 より第3楽章である。


Doric String Quartet - Schumann String Quartet Op. 41 No. 3 - 3rd Movement

  • 弾けそうな曲であること
  • 歌いたいので緩徐楽章であること

という条件で、その時点で知っていた曲で選んだ。この直前にシューマン弦楽四重奏曲を聞いていて、これがとても気に入ったのだ。

わたしが第1ヴァイオリンを弾いて5〜6回ほど練習し、Doverの廉価版スコアを参照してもらい、ここをこう演奏して欲しいと伝えて本番に臨んだ。

曲にマッチした音色や演奏ができたことが演奏中でも満足できたし、録音を後で聞いてそれを確信できた。

楽器の腕はともかく、アマチュアでやっていくなら、この音楽の作り方でやっていけると思ったのである。

物事は万事幸福とはいかない。その後、精神疾患で継続できなかったり人間関係が上手くいかなかったりで、10年前、ついに中断してしまった。

復帰を決めた1曲

2018年12月に音楽教室に通うことで音楽活動を再開するまでは、時々楽器と楽譜を取り出しては少しだけ弾いて遊ぶことはあったが、ちゃんと練習を積み重ねることはなかった。楽団に所属したり合奏仲間がいるわけでもなかったのでモチベーションを保つことができなかった。

あるときにセザール・フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調


フランク ヴァイオリンソナタ第1・2楽章 中村ゆかり 藤井一興 Franck Sonate Ⅰ・Ⅱ Yukari Nakamura(Vn) Kazuoki Fujii(Piano) LIVE


フランク ヴァイオリンソナタ第3・4楽章中村ゆかり 藤井一興 LIVE Franck Sonate Ⅲ・Ⅳ Yukari Nakamura(Vn) Kazuoki Fujii(Piano)

の楽譜を買っていた。特に曲に惹かれていたわけではないけれど、有名な曲でよく演奏会で取り上げられているからネタになる、という理由だったと思う。

演奏から離れてしばらくし、今通っている大学へ再入学した。そこで同じ研究室の学生に演奏会でこの曲を聞き気に入ったとわたしに語った人がいて、じゃあ弾いてみるか、ということで彼女の前でこの曲を弾いたのだ。

しばらく弾いていなくても楽器を手放さずにいて本当によかった。音色を褒められて、楽器を続けるよう勧められた。自信とモチベーションを失っていたが、誰かに聞いてもらえる機会ができることは十分に復活の理由になる。それが17年秋のこと。しばらく一人で、ときには家で弱音器をつけ、ときにはクラシック音楽研究会の部室で練習した。

一人での練習には限界を感じるもので、やはり楽器の上達の近道は、自分よりうまい人に習うこと。それで仙台市青葉区にある音楽教室を探し、入会金+月々の受講料でヤマノミュージックサロン仙台に通うことにした。

コースではどの講師も生徒の希望に応じたレッスンを組んでくれて、目下の目標としてフランクのソナタ全曲を弾きたいことを伝えて、8年間のブランクを埋めるべく3曲ほど準備運動として選んでもらい、それらを弾いた。途中、オプションのレッスンでサントリーホールで弾くことがあって(下記記事参照)

schumannian.hateblo.jp

これで9年ぶりにステージで弾き、これを音楽活動の復帰とした。4月からフランクのソナタを習い始め、10月下旬に開かれる発表会に第4楽章を弾くことにし、それに合わせて見てもらう楽章の順は1→2→4→3と、第3楽章を発表会が終わった後に設定。

発表会までは、練習は勿論のこと、授業間の休み時間や空きコマに楽譜を読んだり、勉強中には様々な音源を聞いて演奏における表現を模索。9月には、この曲を取り上げたヴェロニカ・エーベルレ/児玉麻里によるリサイタルも聞きにいった。

こうしたことを養分にピアノ合わせや本番を迎えた。リハーサルではボロボロだったものの、その後集中して上手くいかなかった部分をさらったのが功を奏し、自他に認めるいい演奏ができたように思う。

演奏を聞いてもらう機会は楽器を続ける上でモチベーションを保つには必要不可欠だ。褒められれば尚いい。同じ研究室の学生やフランクに感謝したい。

今まで一番聞いた曲 #30DaySongChallengeクラシック版 3日目

 疫病のために我々が在宅を強いられている中、Twitterではあらゆるハッシュタグが作られてそれについてツイートをしシェアをすることで退屈を凌いでいる。

タイトルにいただいている  #30DaySongChallengeクラシック版 もその一つである。わたしは一つのツイートでは収まりきれないことをブログに書こうと思って、こうして記事にしている。ブログ記事を書く口実にもなっていてお得だ。

さて、今日は「今まで一番聞いた曲」というお題である。コンサートや音源などメディア別、更にはジャンル別に書いていきたい。

 メディア別、今まで聞いた曲

コンサートはメディアかどうか…これについてはここでは詳しくは書かないけれども、情報の伝達手段としては十分に機能するので演奏会をメディアとして扱うことにした。

コンサートで一番聞いた曲

シンフォニーコンサートでは

大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団のつくば公演で初めてこの曲を聞いてから関東を離れる2016年後半まで、マーラー交響曲第6番 イ短調 が取り上げられる都内でのコンサートには大体行けたと思う。その数10公演。

最も聞きたかったダニエル・ハーディング/新日本フィルハーモニー交響楽団によるものは、当時睡眠障害が酷く、あるコンサートで船を漕いでしまい後ろの席に座っていた方から楽章間に注意されてからしばらく現場通いから遠ざかっていた頃に開催されていた。皆さん、睡眠はちゃんと取るようにしてね。

それはともかく、一番良かった公演はなんだっただろう。チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団による2015年2月の定期演奏会だったと思う。精密か情感をくすぐるかというと後者のタイプで、歌や彫りの深さで心を刳り、わしづかみにされた。

こう書くと単純な感想ではある。仕方がない、生演奏の印象は経年劣化していくものだ。

室内楽や声楽のコンサートでは

シンフォニーコンサートほど行けてはいないものの、ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ全曲演奏会には結構行けたと思う。ギドン・クレーメルとクリスチャン・ツィメルマンという組み合わせではツィメルマンのきめ細やかで崩れないピアノが出色だったし、アンネ=ゾフィー・ムターとランバート・オーキスは弱音に最大限に気を配った丁寧な表現に唸らされた。

 音源で一番聞いた曲

管弦楽曲

これがよくわからない。Twilogに登録してると、自分のツイートを検索する時に取得漏れがなく便利で、「交響曲 #nowplaying」で検索して一つづつ数えれば何を一番聞いているかわかると思った。

twilog.org

検索結果を見たら、その甘い思いつきは打ち砕かれた。多すぎるのだ。#nowplayingだけでもこの記事を書いている時点で約4480件ある。数えていたら日付を超えて、この記事を今日のうちに上げることができなくなる。

…大体でいいよね?いいよありがとう。

自分の中で流行りはあるものの、困ったらこの曲というのはやはりあって、それはロベルト・シューマン交響曲第2番 ハ長調 作品61である。このブログの最初の記事で書いたように、わたしのハンドルネームの由来である。

schumannian.hateblo.jp

最初に聞いたのはバーンスタイン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるものだったが、他のものを聞くうちに表現や技術の丁寧なものに惹かれるようになった。今ではクーベリック/バイエルン放送交響楽団による録音を多く聞いている。 

Schumann: Symphonies Nos. 1 & 2

Schumann: Symphonies Nos. 1 & 2

室内楽曲編

これも検索結果を数えていたらきりがないが、間違いなく聞いているものがあるのでそれを上げる

ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ全曲録音を集めていて、この記事を書いている時点で106種手元にある。

王道を行くグリュミオー/シェベック、弱音にこだわったムター/オーキス、テンポを遅くした耽美的なクレーメル/アファナシエフ…などなどいい演奏はたくさんある。

なかでも、バイエルン放送交響楽団紀尾井ホール室内管弦楽団コンサートマスターを務めるアントン・バラホフスキーがウィリアム・グラント・ナボレと組んでの録音が音色や情感のバランスが良い。唯一の欠点は入手しにくいことだ。Twitterクラシック音楽で繋がっている方にその存在や海外の中古市場へのアクセス方法を教えていただいてやっと手に入れたものである。これをおいそれとお勧めするのは人でなしというものだろう。上記の演奏、その中でもグリュミオーによるものを聞くといいだろう。

Brahms: The Three Violin Sonatas

Brahms: The Three Violin Sonatas

 

初めて買った曲 #30DaySongChallengeクラシック版

初めて買ったクラシック音楽のCDや楽譜を紹介しよう。

初めて買ったCD

指揮:ヴァーツラフ・ノイマン管弦楽チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるグスタフ・マーラー交響曲第5番 ハ短調だった。 

 ただ、DENONから出ていた廉価版CDだったので上記のジャケットではなかった。

高校2年生のときに友人からマーラーを勧められて聞いたらドハマリ。合唱付きの第2・3・8番や第6・10番ばかり聞いていて、そもそも第5番自体よく聞いていなかったのでどんな演奏だったか覚えてない。

ブログ書いたり本読みながら聞いてみるか…

 

〜70分後〜

 

 ブーレーズを知っている耳からすれば別に精緻で且つ切れ味があるわけではないし、バーンスタインテンシュテットと比べたらエモーショナルでもない。精緻さとエモさを兼ね揃えた演奏はいくらでもある。ボヘミアの作曲家としてのマーラーはこんな感じで演奏されるものだったのだろうか。

初めて買った楽譜

ディミトリ・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番  

 これも高2のときだったときに同じ友人から交響曲第5・7番を勧められ、夏休みに(ディスクユニオン御茶ノ水クラシック館ができる前の)御茶ノ水にあったディスクユニオンクラシック音楽専門コーナーで購入した、ヴァイオリン独奏:マキシム・ヴェンゲーロフ、指揮:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ管弦楽ロンドン交響楽団 

 (↑とは別音源、カップリングはセルゲイ・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品63)を聞いてこれが格好良く、「独奏でもオケ奏者としても弾いてみたくなりたいな」と思い、少しでもお近づきになりたくスコアを購入した。

これは現物が残っている。

f:id:schumannian:20200421215620j:plain

いい感じに経年劣化

 

初めてコンサートで聞いた曲 #30DaySongChallengeクラシック版 1日目

 

今日Twitterのタイムラインを見ていたところ、数人のフォロイーがこのハッシュタグをつけてツイートしていたので、ブログのネタにしようと思いこうして記事を書いている。

初めてコンサートで聞いた曲

コンサートで初めて聞いた曲なのか、それとも初めてのコンサートで聞いた曲なのか。初めてのコンサートといっても、これも連れていってもらったや自分でチケットを取って行ったものとで違う。ここでは3種類書こう。

コンサートで初めて聞いたもの

大体のコンサートは予習をして臨んでいるので、コンサートで初めて聞いた曲というのはあまりない。初めて聞くことになる曲は、音源がなく世界・日本初演の曲になる。

ここ1年で振り返ってみると、仙台で行われた現代音楽のコンサートシリーズ 第2回絶頂

zetcho-sendai.com

で演奏されたもので、音源を見つけることができなかったバーレットやクラム、それに初演となった主催者 大久保雅基の新曲の3曲をその場で初めて聞いた。

初めてのコンサートで聞いた曲

中学2年生(1994年)のときに、なぜか当時育った街にイ・ムジチ合奏団が演奏会を開くことになっていた。中学教師がチケットを用意してくれていて、誘われていったのである。そこで聞いたのが、

ヨハン・セバスティアン・バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 

アントニオ・ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』より第1から第4曲(いわゆる『四季』)

であった。

初めて自分でチケットを選んだ演奏会、そこで聞いた曲

中学2年生で初めてコンサートに行ったものの、田舎に住んでいたものでそれとは縁遠かったし、高校生になってヴァイオリンを始めたが、それはそれで忙しくていけなかった。大学受験中はほぼすべての文化的活動はしていなかった。大学に入ったら入ったで、こちらは大学オケの練習に日々を費やしていた。

そんなこんなで大学オケをやめた後ようやく自分でチケットを取ってコンサートに行けたのだ。その演奏会が、2003年9月20日東京文化会館大ホールで開催された、東京シティ・フィル オーケストラル・オペラⅣ「神々の黄昏」だった。曲目は当然、

リヒャルト・ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》

である。

正直なところ、葬送行進曲と自己犠牲が有名な第3幕になるまでは退屈でしょうがなかった。序幕・第1幕は我慢大会のようだった。川下りを含めた3つの名場面の抜粋だけを聞いただけでは予習にならなかったし、久々のコンサートでワーグナーの楽劇を選んだのは無謀だっただろう。

 コンサートでの予習について

予め旋律や展開を知っていれば安心感をもって聞いてはいられるが、当然、視聴した音源とは音響条件が異なるのでそれとは違って聞こえることは多々ある。そのギャップを味わうところに面白さを見出すならば、必ずとは云わないまでも予習は要るだろう。

何度も聞いている曲については、経験を積んだことによって陳腐化した演奏にこれから出会うかもしれないので、音源を聞いてそれを予習とするのは避けたほうがいいだろう。楽譜を読むか、読めなければ曲の概要をCDのブックレットや音楽書の解説を読むといい。

さて、音源がなかったり初演となる曲の予習はどうしたらいいのか。その作曲家の他の曲を聞いたり学べば、わかるとは云わないまでも、曲にとっつきやすくはなるだろう。

 


《神々の黄昏》第3幕 ブルュンヒルデの自己犠牲 グィネス・ジョーンズ(1980年)

レッスンの休講が続くので、ウォーミングアップなど日々の練習メニューを考えてみた。 #ヴァイオリン

f:id:schumannian:20200329234619j:plain

カイザー:ヴァイオリン練習曲集より第4番

気が緩む、行動頻度が下がる。どうにかしよう。

例のウィルスのせいで、2月最終週の回から今まで、月3回行われるレッスンのうち全てが休講になっている。

只でさえ練習頻度が低いのに、楽器を練習するモチベーションが下がるばかりで5週間ほど楽器ケースを開けていなかった。

これではいけない。

それとは別に、大学が2月初旬から春季休業に入ってしまい、生活が乱れている。これもいけない。

どうにかしないと。

以前見た動画をヒントに、自分の技術水準や集中力を考慮してメニューを考える


20分間でバイオリン基礎練習【ウォーミングアップ】速弾き、移弦、音程、ポジション移動など

  • シュラディック第1巻1番目のエクササイズ
  • カール・フレッシュ音階教本よりイ短調の5・8番目のエクササイズ
  • セヴシック練習曲作品1の1より11番

というメニューである。

説明文をそのまま引用すると、

・シュラディック 0:006:31 左手の指を温め、速いパッセージに備えます。ウォーミングアップです。小指の筋トレにもなります。

・カールフレッシュ 7:0015:43 音程を整えます。ポジション移動時の音程に特に注意します。弓の配分の訓練にもなります。

・セヴシック 16:15〜 弓のあらゆる部分を使い、弓のコントロールや、移弦の訓練をします。元、中、先、下半分、上半分、全弓といった感じで、同じ曲で色んなボウイングを練習できるのが良いです。

 ということだ。

Umiさんの技術レベルと自分のレベルとのギャップ

Umiさんと同じ練習メニューをこなすことができたらいいのだけれど、残念ながらそれはできない。なぜなら、わたしの技術水準が彼女と比べ段違いに低いから。

UmiさんのYou Tubeチャンネル

www.youtube.com

にアップロードされた動画の大半はパガニーニ:24のカプリーズ第24番の練習日記となっていて、かなり高い技術を持っていることが伺える。

また、質問箱のBotと化してアクティヴではなくなったTwitterを遡ってみると、

 というツイートが。どうやら相当の集中力の持ち主のようだ。

わたしはというと、ヴァイオリンのレッスンは大学を中退したあとから始めて5年後に止め、その後8年のブランクを経て別の先生でレッスン受講を再開したので小さな頃からきちんと教師に習ったわけではない。それにモチベが高かったり低かったりで練習時間にもばらつきがあった。集中力についていえば、自分の好きなことについては、ことヴァイオリンについていえばそのときオーケストラで弾いている曲や好きな曲の練習には時間を忘れるほど没頭できるが、メカニックやテクニックを作るための地味な練習を続けるのは、やらなければ技術をつけられないとわかっているとはいえ苦手だ。

集中力を鍛えることは別の機会に考えるとして、上記の練習メニューと自分の技術とのギャップを2点挙げてみる。

  • わたしのボウイング技術にかなり問題がある。どこに問題があるかは次のレッスンで講師に聞くとして、弓の配分を訓練するのは下記の問題により困難
  • フレッシュ音階教本イ短調9番のエクササイズは5番の単音による音階・半音階・アルペジオを8度和音で弾くという内容→8度を連続で弾くのは無理がある。

以上の技術おける欠点を考慮しつつUmiさんの基礎練習コンセプトに近づけたメニューを考えた。勿論、長くは続かない集中力を要しない短い内容とした。 

オリジナルのウォーミングアップはこれだ!

 Umiさんのコンセプトを基本としして考えた自分の基礎連コンセプトは次のものだ。

  • 左手のウォーミングアップ
  • 音程を整える
  • 弓の量や移弦という右手の技術を確認

以上を踏まえて、これまでのレッスンで使った教材で鍛えることにした。 

以下の教材を使う。

カイザー ヴァイオリン練習曲 1 [全音楽譜準拠] (監修: 漆原朝子)
 

 3つの教材を使ったこういうメニューはこちら

  • 開放弦で全弓・上半分・下半分をアップダウンそれぞれBPM60で、元・中・上を同様にBPM60・120・180で繰り返す。
  • カイザー第4番を1拍・2拍とスラーを切って、最後に1小節を1ボウイングでそれぞれ全曲最後まで弾く。
  • フレッシュ音階教本イ短調を1〜4番のエクササイズで。1・3・2(2・3は同じ音だが2はハイポジションを使うので先ず3で音程確認)・4の順。
  • セヴシック作品1の1から11番のエクササイズを楽譜につけられた番号通りに全弓・上半分・下半分・元・中・上で通す

これだけやってもかなり時間を使うことになるが、決めた時間に寝て起きれば朝の時間を使ってできるだろう。

9月の卒業(予定)まで学生でいられるので、習慣化させて技術をつけてそれほど時間を要しないようにさせたい。

 

憧れのピアノ三重奏曲 #2020年3月7日ラヴェル145歳の誕生日でお祝いしましょう

新型コロナウィルスの影響によるコンサートやイベントの自粛の中、本日3月7日はびわ湖ホールはプロデュースオペラ「神々の黄昏」の無観客上演をYouTubeで放映した。

わたしは日頃の不摂生で昼夜逆転生活が続いており、起床したのが17時。「黄昏」の第3幕開始が17時…全曲聞くことはできないし、聞けたとしても長時間椅子に座っているのも辛いので別のことをしようと思っていった。

 

昨日、日本モーリス・ラヴェル友の会さん

twitter.com

が誕生日のお祝いメッセージツイートを呼びかけていたので、それに乗ることに。出来るだけ全曲を聞こうと選曲、演奏家も選んだ。

それがこちら。

・歌曲集「シェーラザード」

アンネ・ゾフィー・フォン・オッター/ピエール・ブーレーズ/クリーヴランド管弦楽団

組曲クープランの墓」、亡き王女のためのパヴァーヌ、古風なメヌエット

ブーレーズ/クリーヴランド

組曲マ・メール・ロワ」、海原の小舟、道化師の朝の歌、ボレロ

ブーレーズ/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 

 ・バレエ音楽「ダフニスとクロエ」

ベルナルド・ハイティンク/ボストン交響楽団/タングルウッド音楽祭合唱団

Ravel: Daphnis et Chloé

Ravel: Daphnis et Chloé

 ・ピアノ協奏曲 ト長調、左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調

ジャン・ドワイヤン/ジャン・フルネ/コンセール・ラムルー管弦楽団

Ravel: l'oeuvre pour piano Concertos

Ravel: l'oeuvre pour piano Concertos

  • ジャン・ドワイアン
  • クラシック

 ・ピアノ曲全曲

ジャック・フェブリエ 

Ravel: L'oeuvre pour piano, Vol. 1

Ravel: L'oeuvre pour piano, Vol. 1

  • Jacques Février & ガブリエル・タッキーノ
  • クラシック
  • ¥1935
Ravel - L'oeuvre pour piano, Vol. 2

Ravel - L'oeuvre pour piano, Vol. 2

  • Jacques Février, ガブリエル・タッキーノ & ジャン=クロード・アンブロシーニ
  • クラシック
  • ¥1935

 ・弦楽四重奏曲 ヘ長調

 イタリア弦楽四重奏団

Ravel: String Quartet - Violin Sonata - Piano Trio

Ravel: String Quartet - Violin Sonata - Piano Trio

 ・ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ短調(遺作)

ルノー・カピュソン/フランク・ブラレイ

・ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

ルノー・カピュソン/ゴーティエ・カピュソン

Ravel: Chamber Music

Ravel: Chamber Music

  • ルノー・カピュソン, フランク・ブラレイ & ゴーティエ・カピュソン
  • クラシック
  • ¥1375

 ・ピアノ三重奏曲 イ短調

川久保賜紀/遠藤真理/三浦友理枝

RAVEL

RAVEL

 以上、日付が変わっても聞き続けていこうと思う。

 

さて、タイトルにあるピアノ三重奏曲について。

f:id:schumannian:20200307204052j:plain

デュラン社から出ている楽譜。値段は結構高い。

常設臨時を問わずピアノ三重奏団により演奏される機会は散見されるものの、室内楽自体が日本人に馴染みが薄く感じられる上にその分野ではドイツ語圏の作曲家の作品にシェアを奪われている感があってあまり知られていないようである。

だが、音源を聞かせて人に紹介すると殆どの人が好意的な反応を示す。


第22回 江副記念財団リクルートスカラシップコンサート ラヴェル:ピアノトリオ イ短調

録音で最初に聞いたのは、イタリア四重奏団による弦楽四重奏曲とともに収録されたボザール・トリオによる(多分)1966年の録音であった。調性・リズム・和声など変則的な難曲でありながら、常設トリオならではの高度なアンサンブル力により難なく聞かせてくれる。ちなみに、アルトゥール・グリュミオーによるヴァイオリンとピアノのためのソナタも優秀な演奏で、ラヴェル室内楽作品入門には丁度いいアルバムであろう。

 

演奏会で初めて聞いたのは、2009年10月9日にフィリアホールで開催された土曜ソワレシリーズ「女神(ミューズ)との出会い」206であった。

曲目は次のとおりである。

亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ三重奏版)

シャブリエ風に/ボロディン風に/水の戯れ(ピアノソロ)

ヴァイオリンとチェロのためのソナタ

マ・メール・ロワ(ピアノ三重奏版)

ピアノ三重奏曲 イ短調

アンコールに「クープランの墓」からリゴドン(ピアノ三重奏版)

 

これだけラヴェルを集中して聞いたのも始めてだったし、今の所これが最後である。

ラヴェルの音楽は、光の当て方によっては何色にも見えるプリズムの様に思っている。そう思わせるのに十分な演奏だった。

終演後にサインを頂いた。

f:id:schumannian:20200307204121j:plain

楽譜とCDのライナーノートに

上記2種類を含めてピアノ三重奏曲の録音は12種類ある。世に出ている音源は出来るだけ買い集めたい。

また、楽譜を持っているからには弾けるようになりたい。まだまだモーツァルトの協奏曲すら弾くのにつっかえてしまうけど、近づきたい。

第1次世界大戦までのラヴェルが詰まった魅力的な曲である。この記事を読んだ人に是非聞いて欲しい。

【レッスン振り返り】エチュードでも曲は曲、装飾音で拍を疎かにしない、他

弦が伸びていてもう交換時期なのか、いつも以上に狂っている弦のチューニングから今日のレッスンは始まった。

クロイツェル教本第33曲その中盤の音程把握ができないでいた。1/27と日付を書いた鉤括弧以内が今日の範囲だったのだが、曲として旋律副旋律になるように調和が取れていないという。

f:id:schumannian:20200203231011j:plain

f:id:schumannian:20200203231035j:plain

その解決のために、まずは単音で弾いて、技法的要素以外に持つエチュードの音楽的要素を把握するという提案を受けた。

そう、エチュードだって曲なのだ。

早めにエチュードを切り上げてモーツァルトへ。

冒頭の1拍目で音程が取れていないという大惨事。ソとシの6度音程でソを高めに取っていたのでもっとシに寄せて取るように注意を受けた。

また、装飾音、特にトリルを多く詰めすぎて3拍目を圧迫していた。3拍目を正確に取るためにそこから逆算してトリルや後打音を無理なく入れるという解決法を提案された。拍は大正義、そう心得よ。

f:id:schumannian:20200203232126p:plain

トリルを詰めすぎた

他の重大な失敗は、1拍内で16分音符にして1:3の比率になる箇所で4等分にならないことだった。例を挙げれば、

f:id:schumannian:20200203232931p:plain

3拍目につけた矢印と

f:id:schumannian:20200203233021p:plain

16分休符で欠けている1拍目

である。意識して弾き直したらできるようになったので、解決法を特に提案されはしなかった。しかし、自分で解決法を作るとすれば、スラーをとって弾くことで4等分になるように音を把握する。16分休符は、提示した例で言えば、直後にあるシャープの付いたレで埋めて弾く。確認ができたら次は楽譜通りに弾いてみよう、というわけだ。

 

今日も示唆に富むレッスンであった。

【レッスン振り返り】第1ポジションのオクターヴや長6度の指の位置、二重奏曲ではほぼ初見の準備不足

前回のレッスンは20日で、それから1週間全く楽器を弾かなかったのでぶっつけでレッスンに臨んだ・エチュードと課題曲の反省点をそれぞれ挙げていく。

先ずはクロイツェル。

f:id:schumannian:20200127221146j:plain

赤の囲いはオクターヴ、青は長6度、緑は6度の音程

第1ポジションのオクターヴや長6度はそれぞれ1の指が上ずった。6度はその前のレ+ファを1の指と3の指で取るときにちゃんと2の指を指板に置かず離してしまうので、徹底して指板に置いてピッチをキープする。

 

続いて、偶然にも本日264回目の誕生日を迎えたモーツァルトの二重奏曲。

f:id:schumannian:20200127222142j:plain

f:id:schumannian:20200127222300j:plain

2ページ目以降は2ヶ月前に弾いてからほぼ初見だったので左手の運指が覚束なかったのは勿論のこと、更に問題なのが休符ときちんと休めなかったことだ。

昔から初見で弾こうとすると休符が取れない。そもそも準備をしていれば問題がなかったのは言うまでもないが、これからも初見の度に休符が取れないのではいけない。これは楽譜を読む訓練が必要かも。

1月17日 紀尾井ホール室内管弦楽団によるアンサンブルコンサート5(紀尾井マーラー・セレクション)

【曲目】

ヨハン・シュトラウス2世:入り江のワルツ 作品411(シェーンベルク編曲)、酒、女、歌 作品333(ベルク編曲)、皇帝円舞曲 作品437(シェーンベルク編曲)

グスタフ・マーラー大地の歌(シェーンベルク&リーン編曲)

【演奏】

紀尾井ホール室内管弦楽団団員、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団団員

演奏者詳細は公式ホームページを参照↓

kioihall.jp

【チケ取りと予習】

公演に先立って、チケットは去年の7月10日に紀尾井ホール会員先行発売を利用して1階8列という見晴らしも音響もいい席を確保。

予習はAppleMusicで全曲済ませることができた(リンクはiTunes)。CDを買わずサブスクリプション音楽配信サービスで視聴できる様になっていい時代になったね。

ヨハン・シュトラウス2世の楽曲はこれを。 

大地の歌はこれ。 

Mahler: Das Lied von der Erde (Arr. A. Schoenberg & R. Riehn for Voice & Chamber Ensemble)

Mahler: Das Lied von der Erde (Arr. A. Schoenberg & R. Riehn for Voice & Chamber Ensemble)

  • Ivonne Fuchs, Markus Schäfer & Linos Ensemble
  • クラシック
  • ¥1528

 【当日】

大学の授業の3限を受けたあと15時半に仙台を出る上りの新幹線でいざ東京へ。移動中に先ず1杯。

f:id:schumannian:20200121123816j:plain

コンサートへ向かう道中の酒は美味い。

17時に上野に着き、すぐに御茶ノ水へ。降りてディスクユニオン御茶ノ水クラシック館で所属しているサークルであるクラシック音楽研究会へのお土産を購入。

四ツ谷駅のベックスコーヒーで適当に過ごしてから開場時間に間に合うように紀尾井ホールへ。

f:id:schumannian:20200121122802j:plain

玄関で掲示されていた本公演のチラシ

【開場後】

クロークに荷物とコートを預けて、2階ホワイエで開演前の1杯

f:id:schumannian:20200121122732j:plain

スパークリングワインを注文したが、係員のオススメでシャンパンに変更。

いざホールに入場。客席最後列やステージ上にカメラやマイクが配置されていた。これはNHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」の収録かな?

f:id:schumannian:20200121122943j:plain

前半の風景

前半のヨハン・シュトラウス2世のワルツ3曲は、これぞサロン音楽。堅苦しさを感じさせないのはいい合奏があってこそ。

前半終わって休憩中の1杯。

f:id:schumannian:20200121123223j:plain

ウィスキーのソーダ割り。余ったペリエはサービスで。

さて、大地の歌

f:id:schumannian:20200121122911j:plain

後半の風景

アンサンブルについてだけど、前半に引き続きライナーは美音で聴かせてくれたけど、他3人のWPhのメンバーに関しては良かったといえばそうだったけど、特別WPhのメンバーである必然性というか売りは感じなかった。紀尾井のメンバーだけでやればどんな結果が出ただろうか。チケット売るためのネームバリューだけならないほうがいい。フルートのシュッツについては下手という人もいるし。

原曲と比べて淡白な感もあったので、このくらいの編成でも指揮者いたら少し原曲で演奏する表現に近づくかも知れない。

歌唱は、テノールについては、原曲版ではオーケストラに埋もれがちになるけれども室内楽版では聞こえるようになるのかというとそうではなかった。元々聞こえにくい構成になっているかテノールの声量に問題があるのか、それかどちらかなのだろう。

メゾソプラノについては今まで聞いた原曲での演奏と比べても遜色ない出来だった。メゾは余程のことがない限り成功するのかも知れない。

【終演後】

余韻を味わいつつ新宿に移動し、9年来のネット友達と初対面して2人で飲み会。

f:id:schumannian:20200121123518j:plain

乾杯のスプマンテ

その後「劇場版ハイスクール・フリート」の最速上映を見るためにTOHOシネマズ新宿へ移動し、鑑賞。楽しい1日でした。