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言葉の数だけ世界は拡がる

R40626 クラウス・マケラ/東京都交響楽団

25日に行った演奏会についての記事よりは詳しく書くようにしたい。

公演詳細

www.tmso.or.jp

チケットを割引で譲っていただいた

7/1に開催されるグスタフ・マーラー交響曲第6番を演奏する第954回定期演奏会Bシリーズはチケットは取っていたが、高校2年時に聞き始めた時は気に入っていたものの歳を取るごとにショスタコーヴィチは苦手になっていたため、曲目に興味がない本公演のチケットは取るつもりはなかった。
しかし状況が変わった。マケラがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任するというニュースで更に興味が湧いて、今のうちに日本で彼が振る公演を聞いておこうと考えるようになったのだ。そんなところに、以前所属していたアマチュア・オーケストラの団員の方が、予定のキャンセルでチケットを先着で割引にて譲るというツイートをしたのを見て、すぐにダイレクトメールをしたところ運良く引き当てることができた。Yさんに大いに感謝を申し上げます。

苦手意識を捨て、虚心坦懐に曲を聞く

よさがわからなくなっていた作曲家ではあるが、聞きに行くと決めた以上はわかるところを増やしたい。
そこで、AppleMusicを駆使して、あらゆる演奏家による録音を聞いてみた。

それらの演奏で特によかったものは以下の通り。

こうして軽く予習をした。さて、当日は高校2年時にハマったときの心を思い出せるだろうか、新たな発見があるだろうか。

バッテリアについては、YouTubeに動画がアップロードされていたのでそれを視聴した。


www.youtube.com

この曲が現場でどう響くのか。コンテンポラリー作品はどんどん演奏して欲しい。

開演前に

昼食を取りにアークヒルズ森ビル3階へ。日曜日ということで3階にある飲食店の半分ほどは閉まっていたが、僕の心はもう決まっていた。
そう、中華そば専門店田中そば店で夏季限定の冷やしかけ中華そばを食べると決めていたのだ。

サントリーホールでの演奏会前の腹ごしらえ、夏の定番はこれよ

お腹に優しい。演奏会前はこのくらいが丁度いい。

 

そして、開演前の一杯は欠かせない。
なかなか店では見なくなったサントリーウイスキー白州をソーダ割りでいただいた。

コンサートホールでの飲酒はいいね

感想など

えらいもの聞いたわ。今まで聞いてきた演奏会のベスト級でしたね。

ジノヴィエフ:バッテリア

重厚かつ荘重音楽で、「レニングラード」の前に演奏するならこういう曲がふさわしい。マケラのプログラミングに唸った。

演奏が終わったあと、マケラは作曲者である盟友ジノヴェエフを客席からステージに招いて称えた。客席からは暖かく一際大きい拍手が送られた。また彼の作品が演奏されることを、聞けることを願う。

ショスタコーヴィチ交響曲第7番 ハ長調 作品60

バッテリアでのみ使われた打楽器をステージから除いてすぐに「レニングラード」が演奏された。
まず、ショスタコーヴィチの大作には旧ソ連という暗黒時代という表題性がつきまとうが、マケラは純粋音楽としてこの曲を仕上げたように感じた。そういったものが好みであるか刷り込みがある人にとっては満足はしないものだっただろう。つまり、「この箇所はこうする」といった演奏上の慣習はこの日の演奏からは感じなかった。基本的に、マケラは演奏上の慣わしを排除しつつ忠実に楽譜をそのまま鳴らす人なのだろう。音色やダイナミクスアーティキュレーションは適切どころかこの演奏以外の可能性を廃するようなものだった。


再招聘を望む

秋にパリ管弦楽団を率いて再来日するし、これからも日本で聞く機会は間違いなくあるだろう。しかし、わたしは都響との共演でマケラの指揮を聞きたい。
というのも、在京オケの中でこの組み合わせが別格であったからだ。

どうか、東京都交響楽団は定期的に招聘していただきたい。